当院の沿革は旧く戦前に祖父久一が当地に開設したことにさかのぼり、昭和51年より父芳久の継承を経て、一貫して地域医療の最前線として診療を継続しております。
未曾有の少子化社会といわれる現在、こどもを取り巻く環境は大きく変化し、こどもにとって窮屈な社会になってきている気がします。 当院では無限の可能性を秘めたこどもたちの健康管理に少しでもお役に立てるよう、「地域の1小児科医院にできること、あるいは小児科医院にしかできないこと」を模索し、次のような方針で診療を行っています。
まず第一に、根拠に基づいた最良の医療を提供することに努めています。近年の医療の進歩は著しく、一部では従来の常識、治療法などが大きく変わってきています。 例えば、対症療法しかなかったインフルエンザに対して治療薬が開発され治療が大きく変わったことは周知のことでしょう。また、乳幼児に対する解熱剤の使い方や一般のカゼに対する抗生物質の使い方などなど・・・・、根拠に基づいた医療(evidence based medicine: EBM)という考え方が最近重要視されてきています。
当院では、常に患者様に納得のいく説明を行い安心していただけるよう、最新の医療知識を吸収し、最良の医療を提供してまいります。
また、小児科医=こどもの代弁者 として、子ども自身の身体的・精神的健康を守ることが大きな使命であると考えています。疾患の治療を行うのは当然のことですが、病気以外のときの積極的な健康管理もまた、地域の小児科医院にこそ担える重要な役割であります。病気についてのちょっとしたアドバイスや、予防接種の啓蒙、育児相談、事故予防、あるいは虐待に至りそうな事例の早期介入などなど・・・・、幅広く関わることによって、こどもたちの健康・安全に微力ながら寄与できると考えています。
※1 なお、このような観点から、平成20年10月の医院建替えに併せて病児保育室を開設しました。保育に欠ける病気の児童・乳幼児を専門的に保育することは、究極の育児・子育て支援につながるものと確信し職員一同全力で取り組んで参る所存であります。
※2 本欄初稿から20年、前段文章を加筆後早いもので15年が経過しました。医学の進歩は日進月歩で、この期間も多くの新知見が得られてきました。なかには従来常識とされてきた考え方や治療法が大きく覆るようなこともあるなど、日々知識・技術をブラッシュアップしていかなければ最良の医療は提供できないと改めて実感するところです。また、ユーネスト利用児さんは15年で延べ7000名に達し、すでに中高生あるいは成人になった卒業児さんが受診された際にはその成長に驚かされます。スタッフ一同にとって見違えるように大きくなった元病児さんに再会できることはこの上ない喜びであり、今後も心を込めて診療・保育を続けてまいります。
※3 令和2年に端を発するコロナ騒動を経て、社会全体の様々な場面で行動様式が変容してまいりました。診療現場では特に感染対策の徹底が求められています。当院では従前より、健康乳幼児専用のすくすくルームや複数の隔離スペースを活用した空間的隔離、オンライン受付を利用した時間的隔離を心がけてきておりました。ただ、状況によっては来院される患者さんが集中することも避けられなかったことから、コロナ流行期を機に皆様に対して一層の「オンライン受付ご利用」を呼びかけているところです。受診される際にはお手数をおかけしますがよろしくご協力をお願いします。このような観点から、オンライン受付の際などに本サイトを利用しやすくするため令和7年11月にスマホ対応に改修いたしました。
当院では普段から相談しやすい雰囲気作りに努めていますので、皆様がどんどん小児科医・医院という社会資源を「活用」していただければ幸いです。