できること

 はじめまして。平成14年4月から院長を務めています上原久和です。
 当院の沿革は旧く戦前に祖父久一が当地に開設したことにさかのぼり、昭和51年より父芳久の継承を経て、一貫して地域医療の最前線として診療を継続しております。

 未曾有の少子化社会といわれる現在、こどもを取り巻く環境は大きく変化し、こどもにとって窮屈な社会になってきている気がします。 当院では無限の可能性を秘めたこどもたちの健康管理に少しでもお役に立てるよう、「地域の1小児科医院にできること、あるいは小児科医院にしかできないこと」を模索し、次のような方針で診療を行っています。

 まず第一に、根拠に基づいた最良の医療を提供する ことに努めています。 近年の医療の進歩は著しく、一部では従来の常識、治療法などが大きく変わってきています。 例えば、対症療法しかなかったインフルエンザに対して治療薬が開発され治療が大きく変わったことは周知のことでしょう。また、乳幼児に対する解熱剤の使い方や一般のカゼに対する抗生物質の使い方などなど・・・・、根拠に基づいた医療(evidence based medicine: EBM)という考え方が最近重要視されてきています。
当院では、常に患者様に納得のいく説明を行い安心していただけるよう、最新の医療知識を吸収し、最良の医療を提供してまいります。

 また、小児科医=こどもの代弁者 として、子ども自身の身体的・精神的健康を守ることが大きな使命であると考えています。疾患の治療を行うのは当然のことですが、病気以外のときの積極的な健康管理もまた、地域の小児科医院にこそ担える重要な役割であります。病気についてのちょっとしたアドバイスや、予防接種の啓蒙、育児相談、事故予防、あるいは虐待に至りそうな事例の早期介入などなど・・・・、幅広く関わることによって、こどもたちの健康・安全に微力ながら寄与できると考えています。

 ※1なお、このような観点から、平成20年10月には、医院に併設して病児保育室を開設しました。保育に欠ける病気の児童・乳幼児を専門的に保育することは、究極の育児・子育て支援につながるものと確信し職員一同全力で取り組んで参る所存であります。

 ※2本欄初稿から20年、前段文章を加筆後早いもので15年が経過しました。医学の進歩は日進月歩で、この期間も多くの新知見が得られてきました。なかには従来常識とされてきた考え方や治療法が大きく覆るようなこともあるなど、日々知識・技術をブラッシュアップしていかなければ最良の医療は提供できないと改めて実感するところです。また、ユーネスト利用児さんは15年で延べ7000名に達し、すでに中高生あるいは成人になった卒業児さんが受診された際にはその成長に驚かされます。スタッフ一同にとって見違えるように大きくなった元病児さんに再会できることはこの上ない喜びであり、今後も心を込めて診療・保育を続けてまいります。

 当院では普段から相談しやすい雰囲気作りに努めていますので、皆様がどんどん小児科医・医院という社会資源を「活用」していただければ幸いです。

平成15年4月作成、 ※1 平成20年9月加筆、 ※2 令和5年7月加筆   

上原医院 基本診療理念
 
院長略歴
 
平成3年 広島大学医学部卒業
京都府立医科大学小児科、病院勤務を経て
同大学大学院修了
平成14年より現職。
院長資格
 
日本小児科学会認定 小児科専門医
日本小児神経学会認定 小児神経専門医
医学博士