くすりをいやがる子どもたちのために
〜うまくのませるコツ〜

よく効く薬も服用できていなければ効果は期待できません。
くすりの重要性をよく理解して、上手なのませ方を知っておくことが、早く元気になるための一番の近道です。
くすりをのませる前に
何のための薬? ムリにでものませるべき?
処方された薬はもちろん重要なものばかりですが、薬によって服用する心がまえが異なります。 例えば、抗生物質、抗ウイルス剤やある種のぜんそくの薬などは、一定量をしっかり服用することで効果が期待できるものです。つまり服用ができずに症状が改善しない場合、単に薬をのめていないことによるものなのか、あるいは治療方針そのものの問題であるのかが判断できません。
このような種類の薬は、とにかく確実にのませることが重要です。
一方、咳どめや整腸剤など症状を和らげるために処方される薬は、症状次第でのませなくてもよい場合もあります。(確実な服用が必要な場合もありますので必ず診察時に確認してください)
処方された薬の目的・必要性をよく理解することが のませ上手となる第一歩です。
のませるタイミングは? のませそこなったときは?
乳幼児の場合、服用時間は決して「食後」にこだわる必要はありません。
「食後」では、満腹でのんでくれなかったり、食物と一緒に吐きやすいので、そのような場合、授乳・食事前の空腹時に服用させてください。
多くの薬は所定の分量を体に作用させることが目的なので、特に指定のない場合、 食事の時間に関わらず、若干時間がずれても服用回数を守ってください。
(例えば、通園している日は「朝・昼・夕」が「朝・夕・寝る前」とするなど)
具体的なのませ方
くすり単独でのませる

1回分の薬に水を数滴垂らしてペースト状にし、それを頬の内側や上あごの奥に塗りつける。
または少量の水で溶かし、スプーンやスポイトでのませる。
その後すぐ口直しに水やジュースをのませる。
哺乳瓶を用いてもよいが、薬が溶けきらず乳首の中に残りやすいので注意する。
食品に混ぜてのませる

必ず少量とし(10~20mlもしくは大さじ1~2杯)、のみ残しのないようにする。
基本的には何に混ぜてもよい。
ただし、ある種の抗生物質は酸性のもの(ジュース類、ヨーグルト、乳酸菌飲料、スポーツ飲料など)に混ぜると苦味が増すので要注意です。
アイスクリームなど冷たいものは味覚を鈍らせるため苦い薬に最も効果的です。
ただ、冷たいものは咳き込みをひきおこすことがあるので注意が必要です。
チョコレートクリーム、ミルクココア、コンデンスミルクなど 粘っこく味の濃い食品やおくすり服用ゼリーなども苦味を隠す効果があります。
まず混ぜていない食品を少し与えると警戒心が薄れ、のませやすくなります。
参考になりましたか?
ただ、結局のところは、のませ方に王道はなく、診察のときなどはいつも
「いかに飲ませるかが親御さんの腕の見せ所です!」と、激励だか言い逃れだか、
わからないコメントになってしまうのが現実ですが・・・・。
では、がんばってください!
